幽霊船長

「船長!!海賊船が旋回しました!」

副船長の報告と同時に、四発の砲弾がクラウン号を襲った。

爆発が起こり、木片が飛び散った。

「損害は軽微。運航、戦闘に支障はなし!」

船員が叫ぶ。

「海賊船が突っ込んで来るぞ!戦闘準備!」

砲撃の後にUターンをして向かってくる海賊船を見て、クレイは命令を下した。





「海軍の右舷につけろ!」

幽霊船長の命令で、海賊船は砲撃でクラウン号を牽制しながら突撃、右舷につけた。

「後はお前らお得意の仕事だぁ!キリキリ働けよ!!」

『オオ!』

大声を上げて仲間がクラウン号に飛び移っていく。

たちまち辺りは乱闘になってしまった。






その乱闘の中で、クレイは見た。のらりくらりとクラウン号の手すりを乗り越え、甲板に降り立つドクロ仮面の男を。

「幽霊船長ッッ!!」

右手の剣を振りかざして突進する。

「おわ!?」

驚きながらも、幽霊船長も腰のサーベルを引き抜き、クレイの斬撃をガードした。

「ほほ〜、なかなかヤルね、あんた」

「ほざけ!もうじきお前は牢獄か地獄だ!」

剣とサーベルが火花を散らす。

それから五合ほど、打ち合った後に、クレイは渾身の突きを放った。

剣は寸分違わず……幽霊船長の帽子を貫いた。

幽霊船長はしゃがんでいた。

あまりにも速くしゃがんだので、帽子だけが宙に残ったのだ。

「アブねアブね」

しゃがんだ状態でホッと息つく幽霊船長。

「このッ…」

だが、クレイが動くより速く、幽霊船長はサーベルを振るった。

立ち上がりながら斬り上げる。

「ぐっ!」

とっさに体をのけぞらすクレイ。

サーベルはクレイが左胸に着けていた階級章を撥ね飛ばした。

「これをかわす?おもしれえな、お前!」

「ちっ!」

体勢を整え、再び剣を振り上げるクレイ。

「あ〜、もうやってムダだと思うぞ?」

幽霊船長がめんどくさそうに言った。

「私はお前に勝てないとでも?ふざけるな!」

激昂するクレイだったが、幽霊船長が動いた瞬間、止まらざるおえなくなってしまった。

「分かるか?こう言うコト」

幽霊船長が、左手で懐から取り出したもの―――ピストルは、真っ直ぐにクレイの頭を狙っていた。

「卑怯な……」

苦々しげにクレイが言った。

「ん、卑怯な?誰に向かって言ってんだ?俺たちは海賊だぞ。卑怯万々歳さ」


作者: オカピ
閲覧数:539
2008/06/21 00:15:00公開

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