カラメルタイフーンで異世界へ

シャカシャカシャカシャカ
「またそれやっている」
同居人のサラがオレの手元を見て呆れる。
シャカシャカシャカシャカ
「何度目それ?」
4832回目、と瞬時に出てくるが集中したいので返事はしない。1000回を超えて何も起きなかったらやめると決めていたのだが結局プリンを掻き混ぜるのを止められない。どうしてもやめられないんだ。手が、脳が、これを勝手に選択している。『アイツに会いたい』って言っているんだ。
「ああ〜、中身ほとんど飛び出ちゃったじゃん」
顔に飛んできたカラメルソースをサラは舐めた。五年前、オレの無二の親友が目の前で消えた。現場はアイツの家、原因は・・・
シャカシャカ・・・・・・
ふいにスプーンが容器に当たらなくなり音が無くなった。底が空いたのだ。それはスプーンが容器を貫通させたからではない。
「来た!」
あの時と同じ現象だ! オレは興奮した。容器の底の位置には小さなつむじ風が発生している。
「え? 何それ!?」
サラの驚いた声が耳に響いた。
五年前親友とソイツの家で遊んだ時のこと、アイツは買ったプリンを掻き混ぜていた。ソースが全体に行き届いた方が上手いからとのことだった。しかし、途中から手段が目的に変わった。楽しくなっちまったらしい。最初は軽く混ぜていた手が徐々にスピードを増し、やがて残像が見えるまで高速になった。
するとアイツの手元にはつむじ風が発生した。更に混ぜること五分、米粒ほどだったつむじ風は部屋全体を埋め尽くす竜巻になった。オレはそれによって部屋の外に弾かれたがアイツはその場から動かなかった。アイツは首だけオレの方に向けて笑うと何かを口にした。暫くすると竜巻は消えた。アイツの姿とともに。周りの奴は口々に死んだなどと言うが違う。
オレには分かった。アイツは死んだんじゃない、別の世界に旅立ったんだ、と。これまでにオレはいくつも試した。TKGの卵をかき混ぜたり、熱湯風呂に冷水に入れてかき混ぜたり、サラの口に突っ込んだ歯ブラシをかき混ぜたり色々やった。でも、駄目なんだ。同じ現象を発生させるのはやはりプリンしかなかったんだ。4831回失敗したけど。
「〜〜〜〜〜」
既に巨大化した暴風に吹き飛ばされたサラが何かを言ったが、もう声が掻き消されている。別れを悟ったのか涙を流している。今までありがとうサラ。オレはあと数シャカシャカ(音はしないけど)で消える。アイツのところに行くよ。
風のうねりがマックスに達し、来るべき時がきた。
サラ・・・・・・
「今までありがとう!」
その瞬間、体がふわりと浮きがり、別世界に誘われる心地よさを感じた。アイツはこのまま上昇し、天井にあたる直前に消えた。同じようにオレの体も上昇加速が増す。
ああ・・・・・・オレ、この部屋とももうお別れするん
「だーーーーーー!!!」
オレの体は天井にぶち当たり、墜落し、落下ポイントに座布団は敷いてなく、激しく顔面を強打し、頚椎に確かなダメージを残して倒れた。竜巻も消滅していた。
横になった、自分の部屋の光景を見ながら放心状態になる。そんなバカなそんなバカなそんなバカな。オレは異世界に飛ぶんじゃないのか? アイツと何か方法が違うのか? 何千回もやったのに駄目なのかーーー?
焦点の合わない目が、近づいてくる二本の肌色の棒を認識した。良く見てみると彼女の足だった。オレの顔を覗き込むように彼女は腰を下ろした。
「ほんっと、あんた何がしたいの?」
涙を流しながら彼女は笑っていた。
うん、一万回やっても無理なら、いや、十万回・・・・・・ミリオンやっても無理なら諦めよう。
「うるさいよ」
気づくとオレの口角もニッと上がっていた。
作者: ミルドラ
閲覧数:326
2016/03/24 00:21:50公開

■作者からのメッセージ
ふんぎょろっはーーー!!!やぐ三年振りに熊小に帰還せりりー!!!んなのに俺のちょい前の俺の話が近ぐにあるがんなー!!投稿スッカスカなのがいいーー!?ここに卒業できないオッサンがいるんだどーー? サラの野郎、何したいの?って、妄想の結晶イコール物語ってヤヅに決まってっかんなー!! でも三年たってやんの!火の輪をバサロ泳法でくぐんねど想像力枯渇スンゾーーう?!

ゲーッタゲタゲタゲタ!
o(≧∀≦)o
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