ビーチング パーリーピーポー

「やい、そこのビーチに寝そべった年は20にさしかかろうとしてる娘よ」
女が寝そべった状態で顔を上げる。
「なによ、説明くさいセリフをこの私に発した、男のくせに子を産みそうな腹のメタボ親父!」
なんという言い草・・・なんとも・・・別に悔しくはない。
「そう、親父だ。俺はお前の親父」
こやつの眉はピクリとも動かない。今にも『なに言ってんの』とか言いそうな・・・
「なに言ってんの?」
ビンゴ! 一語一句間違えずに予知してやったぜザマミロ。
「って言ったらどうすンゲェ!」
顔面にザラハイ、おっと業界用語はいけないぜ、灰皿がめり込む。海に持ってくるもんじゃなかろうが。
「灰皿を投げる。あんたの未来が一秒も来ないように」
もうとっくに投げてっけどね! 痛いけど一秒後はたった今通りすぎたかんね。
「私には腹げっそり親父がいるし」
「痩せてるのか?」
「私が食べさせてないからね」
「酷え!」
同世代であろうこいつの親父に同情心が芽生える。すると女は右手の人差し指を揺らし「チッチッチッ」とあひる口になった。別に可愛くねえし!体温上昇してっけど夏の日差しにやられただけだし! んで、なにがチッチッチッなんだ?
「口移し以外では」
メガンテになる。いや、身体が爆発するわけにもいかないんで目が点になる、くらいで落ち着いておこう。同世代であろうこいつの親父に嫉妬心が芽生える。いや、芽生えねえし。俺だって家に帰ったらキスしまくりだし。リップクリームと。へへ・・・は・・・はは。
「親父は大切にしろよ、あばよ」
回れ右して手をひらひらさせると後ろから声が返ってくる。
「何がしたかったの?」
ナン・・・でもねえよ。

作者: 未留怒羅
閲覧数:291
2016/06/26 00:02:56公開

■作者からのメッセージ
娘の制裁これにておしまい。親父のナンパは無駄死の乱打。夏に笑われ熱にさらされ。。。
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